対象者情報
名前：小林 華奈 性別：女性 年齢：32歳 職業：広告代理店勤務（営業職） 家族構成：夫と二人暮らし
①普段のライフスタイル 平日は朝6時に起き、Panasonicのスチームオーブンレンジで朝食を簡単に調理しながら、Google Nestでニュースを聞き、出勤準備を進める。夫も同時に支度をするため、バスルームやリビングの行き来が多く、髪の毛やホコリが目立つ。DysonのV12を使っていたが、バッテリーの持ちや収納性に不満があり、よりスマートで手間の少ない掃除スタイルを求めている。
②興味関心 月に1回は東京都現代美術館を訪れ、展覧会の感想をInstagramで発信している。友人と「エル・グルメ」掲載のカフェを巡ったり、GINZA SIXで限定コスメを購入することが楽しみ。最近はApple Watchを活用してヨガにも興味を持ち、LAVAのオンラインクラスに参加中。空き時間にはYouTubeで「暮らしvlog」（人気はmarina.さん）をチェックし、収納術や時短家事に興味を持つ。
③情報収集の仕方 Instagramのストーリーズや投稿を毎朝30分チェック。夜はYouTubeを1時間ほど視聴し、家事・時短・掃除関連の動画を参考にしている。Pinterestも活用。
④平日の過ごし方 朝：6:00起床、7:30出発前までに掃除と朝食を並行処理 昼：オフィスでコンビニランチ、空き時間にSNSチェック 夜：帰宅後、簡単な料理とネットフリックス視聴でリラックス
⑤休日の過ごし方 朝：9時起床、豆から淹れるコーヒーと共に読書 昼：外出してカフェ巡りや友人とランチ 夜：夫と映画鑑賞または料理配信を見ながら晩酌
⑥好きな物 無印良品の収納ボックス、SHIROのフレグランス、TVerで見られるドラマ、シンプルなインテリア雑貨、Apple製品（iPad Air、AirPods Pro）、DEAN & DELUCAの限定トート
⑦消費行動の傾向 月に一度のオンラインショッピングが習慣。インスタグラマーの紹介商品に影響を受けやすい。レビュー重視で、Amazon・楽天・Yahoo!を比較。新製品には敏感だが、デザインや収納性が悪いと買わない。サブスクも日常に組み込む派。
⑧ 商品カテゴリに対するニーズ 限られた時間で効率的に掃除を完了させたい。使用後にドックに置くだけで充電・ゴミ処理ができるタイプを望んでいる。収納スペースが少ないため、自立型で見た目もインテリアに馴染むデザインが必要。音も静かであること。
⑨商品カテゴリに対するペイン 従来のコードレス掃除機はバッテリーがすぐ切れる・充電器が場所をとる・ごみ捨てが面倒という問題があった。時間のない朝に掃除の手間が増えることがストレスで、結局掃除を後回しにしてしまうことが悩み。
10.商品に求める価値 掃除機に対し「置くだけで全て完結する」「美しい佇まい」「朝の騒音を減らす」ことを求める。例えば日立のラクかるパワーブーストのような軽量性と、ルンバのような自動性を融合した製品を欲している。
11.現在の代替商品 Dyson V12 Detect Slim、iRobotのルンバi7。前者は手動操作で使うがゴミ捨てが面倒。後者は時間を設定して動かせるが、細かい場所に届かないのが不満。
インタビュー結果
インタビューサマリー（小林さん）
▶︎ 暮らしの中での掃除行動に関するInsight
掃除は“気づきベース”で発動し、心理的な落ち着きと生活導線の一部として機能している。
ルーティン化は理想だが、「時間との戦い」の中で“瞬発的な対応”が多い。
🗣️「髪の毛とかホコリが気になったらすぐに動いちゃうタイプなので、ちょこちょこ掃除は多いと思います。」
→ 気づき起点で行動が始まるスタイル。目に入った瞬間の“気持ち悪さ”が行動のトリガーに。
🗣️「時間が取れないときに気になる汚れがあると、気持ちがそわそわして落ち着かなくなるんですよね。」
→ 掃除行動が“安心感”や“精神の整え”と深く結びついている。
🗣️「休日にまとめてやるっていうよりは、『あ、ここ汚れてるな』って思ったらその場で対応する感じですね。」
→ 習慣よりも“その場の気分と気づき”による柔軟な対応が中心。
▶︎ 掃除機に求める機能に関するInsight
吸引力だけでなく、「取り回しのしやすさ」「可視化」「掃除後の快感」までが評価軸。
“掃除しよう”ではなく“掃除したくなる”工夫に価値を見出している。
🗣️「髪の毛とかホコリって、光の角度で見えたり見えなかったりするので、可視化できるのはけっこう魅力でした。」
→ “見える化”が掃除のモチベーションを上げる体験に。
🗣️「軽量モデルっていうのもポイントでした。前に使ってたDysonはちょっと重くて…」
→ 数値ではなく“使って感じる重さ”が判断基準。
🗣️「掃除した後にもう一回床を拭きたくなっちゃうような気持ちになるんですよね。なんか本末転倒というか…」
→ “ごみ捨て後の手間”が体験価値を下げる要因に。終わり方も含めて評価している。
▶︎ 商品コンセプトAに対する評価（Swip）
“気づいた瞬間に吸える”という思想が生活リズムと合致。
“掃除＝家事”ではなく、“気分の一部”として扱える点に強い共感。
🗣️「“全部やります”じゃなくて“あとちょっと手を貸しますよ”っていうバランス感覚が絶妙にうまいなぁって思いました。」
→ メインではなく“補助的”という立ち位置が生活のリアリティと合う。
🗣️「トリガー式ってちょっとゲーム感覚というか、『吸った！』っていう達成感があると、気分的にも前向きになれそうです。」
→ 行動に“快感”を設計している点が刺さっている。
🗣️「10分の稼働時間の短さ（特にSweepモード）」「ごみ捨てがどうなるのかの不明確さ」
→ 高評価ながら、バッテリーやごみ処理の不安で即決に至らず。
▶︎ 商品コンセプトBに対する評価（NEST Vac）
“掃除機を見せない”思想に深い共感。
掃除効率より“暮らしの空気感”に寄り添うアプローチが新しい価値観として映る。
🗣️「掃除機って、使い勝手や吸引力ばっかり注目されがちだけど…『どこにどう置くか？』が一番ストレスだったりするんですよ。」
→ 「収納性×見えない快適さ」が購買動機に直結。
🗣️「うちってそんなに広いわけじゃないし、掃除機の存在感が出ちゃうと生活感がにじんでしまうから…」
→ “生活感”の抑制が掃除機選びの前提条件。
🗣️「ドックまでコードレスで！」
→ 収納・設置の自由度の高さが今までのストレスを根本から解消すると評価。
▶︎ 改善点
Swipは“実用時間・ごみ処理”の曖昧さ、NEST Vacは“価格と納得感のバランス”が課題。
どちらも“感情を後押しする説明と設計”があと一歩で購買に直結しうる。
🗣️「ごみはドックで自動回収されるのか、自分で捨てるのかがちょっと曖昧でした。」（Swip）
→ 利用後の手間に対する説明不足がネック。
🗣️「掃除機として使った後の処理はどうなの？」（NEST Vac）
→ “隠す設計”に偏り、“使ったあとの行動”が抜けている印象。
🗣️「たとえば、『掃除機の存在が消えると、家の空気感がどう変わるか』みたいなストーリーを強調してもいいかも。」
→ Bは訴求力を高める“感情的な演出”がカギ。
🗣️「価格の正当性や、使い方を試せるサブスク的な導入があったら、即決に近づく気がします。」
→ 高価格帯プロダクトほど、“生活に合うかどうか試せる”導線が必要。