対象者情報
名前:緒方 詩音 性別:女性 年齢:29歳 職業:インテリアショップ販売員(正社員) 家族構成:同棲中のパートナーと2人暮らし
①普段のライフスタイル 平日は天神のインテリアショップで勤務、接客と店舗レイアウトの担当をしている。土曜は基本的に休みで、午後は読書と軽い模様替えで気分を整える時間。読みかけの小説を抱えてクッションにもたれ、抽出中のコーヒーの香りが部屋に満ちることで、生活が静かにリセットされる感覚が好き。豆は「REC COFFEE」のエチオピア浅煎りを選び、味も香りも軽やかなものを好む。
②興味関心 北欧家具・民芸品の収集、オーガニック紅茶の試飲、エッセイ本の読書(最近は益田ミリや瀧波ユカリを愛読)、無印良品の収納研究。休日はイムズ跡地にできた新しい書店カフェを巡ったり、街中のギャラリーを散歩するのが定番。
③情報収集の仕方 Instagramで「@folk_interiors」「@rooms_japan」などをフォロー。楽天ROOMも自作している。Pinterestでの情報収集は毎日30分以上行う。
④平日の過ごし方 朝:グラノーラとフルーツ、コーヒーはテイクアウト。 昼:職場でのランチ休憩、スマホでSNS。 夜:照明を落とし、アロマと共に読書やネット通販。
⑤休日の過ごし方 朝:遅めに起床し、コーヒーとともに新聞とエッセイ。 昼:部屋でのんびりと過ごしながら模様替え。 夜:パートナーと自炊、お気に入りの映画を観る。
⑥好きな物 ACTUSの雑貨、カリモク60のソファ、白山陶器のマグカップ、CIBONEの限定品、無印のラタン収納、d47食堂の食器、資生堂パーラーのプリン。
⑦消費行動の傾向 自分の世界観に合うかどうかが最優先。価格よりも素材や質感、ブランドの価値観を重視。オンライン購入も多いが、インスタやセレクトショップで“発見する”喜びを大切にしている。
⑧ 商品カテゴリに対するニーズ 家の中に自然と溶け込むようなインテリア性の高いプロダクトでありながら、毎回の抽出にムラがない安心感がほしい。浅煎り豆の繊細な香りが立つ設計が好ましい。
⑨商品カテゴリに対するペイン デザイン重視の機種だと性能に満足できず、逆に高性能な全自動機だと見た目が生活感を出しすぎてしまうジレンマがある。置き場所も限られているのでサイズ感も重要。
10.商品に求める価値 生活の「余白」を演出できるコーヒーメーカー。見た目は彫刻のように美しく、機能はプロ並み。音が静かで抽出の所作も心地よい、まるで儀式のように感じられるもの。
11.現在の代替商品 BALMUDA The Brewを使用中。デザイン・香り・所作すべてに満足。ただし一杯ずつしか淹れられない点と、水タンクの掃除が若干面倒と感じることがある。
インタビュー結果
インタビューサマリー(緒方さん)
▶︎ 暮らしの中でのコーヒーを飲む行為に関するInsight
コーヒーは“生活を整えるスイッチ”であり、感情や空間の調律を行う儀式的行為。特に休日の静かな時間に、自分やパートナーとの関係をリセット・調和する時間として重視される。
🗣️「休日は…音楽をかけながら、静かな時間を楽しむのがすごく好きです。」
→ 外的刺激の少ない時間帯に、コーヒーの時間が“心の静けさ”を演出する装置になっている。
🗣️「抽出されていくのをぼーっと眺める時間…その“待つ時間”がすごく好きで、なんか一日が整っていく感じがするんです。」
→ コーヒーの時間は“自分のリズムを取り戻す行為”として強く内面化されている。
🗣️「ただ“飲みたい”だけじゃなくて、暮らし全体を一度リセットしたいときに使うことが多いかもしれません。」
→ コーヒー=飲料ではなく、“暮らしの空気感”を変えるスイッチとして機能。
▶︎ コーヒーメーカーに求める機能に関するInsight
“機能”よりも“所作の美しさ”や“生活へのなじみやすさ”が重要視される。「味」や「時間」を整えるための“共演者”としての存在が求められる。
🗣️「見た目が圧倒的に美しいというところ。キッチンに置いていてもまったく“家電感”が出ない。」
→ 機械的ではなく“彫刻のように佇む存在”が理想像。
🗣️「BALMUDAを使い始めてから…『あれ?家でもここまでできるんだ』って驚いたんですよね。」
→ プロ並みの味というよりは、“暮らしの一部として整うかどうか”が重要な評価軸。
🗣️「水タンクの掃除がちょっと面倒で…。『あ〜今日はちょっとやめとこうかな』ってなることもあります。」
→ 使用感において「機能」よりも「手間を感じるか」が継続利用を分ける。
▶︎ 商品コンセプトAに対する評価(Siphone)
“夜に2人で過ごす時間”への共感性が極めて高く、緒方さんの実生活に「今すぐフィットしそう」というリアルな導入想像ができた製品。生活の“感情の流れ”に寄り添うツールとして高評価。
🗣️「“ちょっとのズレ”が気になるタイプなので、『同時に出てくる』ってだけで一緒に整う時間がつくれる気がして魅力的です。」
→ 時間の“揃い”を重視する二人暮らしの共感ポイント。
🗣️「生活の“夜の余白”に寄り添ってくれる感じが、今までにない切り口だなって思いました。」
→ 「朝ではなく夜」に特化した文脈が生活行動と完全に一致。
🗣️「使ってみたい」気持ちはけっこう強いけど…「結局棚の上で眠ってる…みたいな未来がよぎる」
→ 機能には惹かれつつも、“置いた後の暮らしとの相性”を慎重にシミュレーションする性格も顕著。
▶︎ 商品コンセプトBに対する評価(YU drip)
機能・思想は高評価だが、設計思想が“理想の朝”に合わせすぎており、現実の自分との距離があると感じられた。生活を変える前提の“ストイックな美しさ”が共感を生みにくい側面も。
🗣️「湯量と温度の記憶で『いつもの味』を再現できる安心感…すごく好きです。」
→ 味の再現性は高く評価され、特に“朝の味のブレ”に対するストレス解消として好印象。
🗣️「でも、『今日は蒸らしも自分で調整して…』ってやる自分が、果たして毎朝いるかな?って不安がよぎる。」
→ 毎日の気分やコンディションの“波”に対応できる柔軟性が求められている。
🗣️「Instagramとかで紹介されてたら『いいな〜』って憧れる感じ。でも、現実味がないんですよね。」
→ 製品としての美意識は高評価も、「実用性」と「自分らしさ」に折り合いがつけられない状態。
▶︎ 改善点 Insight
現実の暮らしとの“溝”が購入の壁に。具体的には、デザインの生活感/お手入れの手間/使用シーンの限定性が主な懸念点。
🗣️「“ギア感”がちょっと気になる。BALMUDAみたいな“彫刻っぽさ”があったらもっと惹かれるかも。」
→ デザインに“静かな彫刻性”が求められている。インテリアの一部としての存在感に敏感。
🗣️「デカフェモードってどういう仕組み?っていうのも少し引っかかりました。」
→ “雰囲気だけ”でなく、納得感のあるスペック説明が求められている。
🗣️「朝専用っていう感じがして、使うシーンが限られるとちょっと寂しい。」
→ ライフスタイルの波に寄り添う“多用途性”や“情緒的な余白”が鍵。